BTC ブレインテックトーク vol.2

「BTC ブレインテックトーク」は、ブレインテック・コンソーシアムが主催するオンラインイベントで、ブレインテック業界を牽引するトッププレイヤーを国内外からお呼びし、最先端のプロダクト開発、研究、市場動向、課題など、幅広くカバーしていきます。

第二回目となる今回は、「国内イヤホン型デバイス企業からみたブレインテックの今後」と題しまして、国内で先進的なイヤホン型のブレインテックデバイスを開発する凸版印刷様、VIE STYLE様、CyberneX様の3社をお迎えし、2022年4月8日(金)に開催されました。本レポートで当日の内容を一部ご紹介します。

BTC ブレインテックトーク vol.2についてはこちら

目次

アーカイブ映像
登壇3社のプレゼンテーション
パネルディスカッション
参加者とアンケート結果

概要・登壇者

開催日時: 2022年4月8日(金) 19:00〜20:30 オンライン開催
https://brain-tech.jp/news/btc-talk002/

【プログラム】
19:00~19:20 「自分のコトがもっと分かる」簡易脳波デバイスで創るビジネス
       凸版印刷株式会社 本庄 元 氏
19:20~19:35 人類の最後のフロンティア~ニューロテクノロジーの最前線
       VIE STYLE株式会社 茨木 拓也 氏
19:35~19:50 ウェルビーイング時代におけるBCIのCyberneX流の社会実装プロセス
       株式会社CyberneX 泉水 亮介 氏
19:50~20:10 パネルディスカッション
20:10~20:30 Q&A

【登壇者】
本庄 元 氏
凸版印刷株式会社 情報コミュニケーション事業本部 事業開発部

茨木 拓也 氏
VIE STYLE株式会社 Chief Neuro Tech Officer

泉水 亮介 氏
株式会社CyberneX CSO

藤井 直敬 氏
ハコスコ 代表取締役、医学博士・脳科学者、デジタルハリウッド大学大学院 学長補佐 卓越教授、東北大学 特任教授

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日本テレビホールディングス株式会社

アーカイブ映像

当日のイベントを見逃した方は、YouTubeにてアーカイブをご覧いただけます。

https://youtu.be/SSqwfukMAyI

登壇3社のプレゼンテーション

凸版印刷株式会社

本庄 元 氏は人を測る技術、いわゆる「ヒューマンセンシング」の技術を使って新規事業を開発する部門に所属しています。

凸版印刷株式会社として、印刷物の感性評価で培った生体測定ノウハウと印刷表現で培ったデータ収集 / 加工ノウハウを強みとして様々なサービスを展開中です。その中で、集中力を可視化するイヤホン型脳波デバイス「b-tone」を開発しました。

「b-tone」は小型×軽量で、加工可能な状態でデータ出力が可能ということもあり、2021年9月のサービスローンチから30社以上の企業に導入されています。韓国でブレインコンピュータインタフェース関連のデバイス・サービス開発を行うSOSO H&C社を開発パ―トナーとして共同で開発したデバイスです。

ヒューマンセンシングの提供価値は「気付きを与えること」。教育・働き方・コンテンツ評価・エンタメ・ツーリズム・マーケティングなど多くの領域で脳状態を可視化するサービスの提供が可能です。さらにセンシングのみでの活用が難しいということも多いため、要件整理からサービス開発、販売促進までセットでのパッケージの提供も行っています。

VIE STYLE株式会社

茨木 拓也 氏はVIE STYLE株式会社でChief Neuro Tech Officerを務めています。ブレインテック(ニューロテクノロジー)とは人類が手にする全く新しい情報媒体である脳情報を利用する技術のことです。例えば脳情報からどんな映像を見ているかやそれをどう認識したかといったことが再構成できます。

脳が新しい情報媒体になりサイバー空間の脳情報ネットワークに接続できるようになると、知ることの出来る世界や体験できる視点、さらに共有できる幸福や悩みといったことまで拡張されます。

その応用範囲は幅広く、例えば医療の世界では薬ではなくブレインテックを利用した副作用の少ないデジタルサプリメントが期待されます。実際にうつ病や心的外傷(PTSD)など様々な精神疾患の治療についての研究が行われています。これまではデバイスが高額で取り扱いの難しいものだったのですが、普段使いできるようなデバイスとして「VIE ZONE」という脳波イヤホンを開発しました。

このデバイスを使うことで、耳の中から脳活動・心拍・呼吸をセンシングし、フロー状態を予測したり、手術現場における麻酔の鎮静深度をモニタリングするといったことを行ってきました。これからも「味わい深い人生を」をテーマに脳情報共創プラットフォームの構築を目指していきます。

株式会社CyberneX

泉水 亮介 氏は「MAMORIO」という紛失防止タグでの事業開発経験を活かし、現在は株式会社CyberneXでCSOを務めています。ブレインコンピュータインタフェースの社会実装を通じて新しいコミュニケーションの形を作ることを目指しています。

CyberneXはFUJI Xerox(現在の富士フイルムビジネスイノベーション株式会社)からスピンアウトしたスタートアップで、多くの発明品を世に送り出してきた馬場 氏がCEOを務めています。その技術ノウハウを投入し、耳につけて脳情報を計測する「Ear Brain Interface」を開発しました。技術だけでなく80件を超える知的財産も引き継ぐ形で事業を進めています。

最近は「心理的ウェルビーイング」に注目が集まり多くのサービスが出てくると予想されますが、自分の内面や状態・感覚は分かり辛く表現も難しいです。そこで、このデバイスを使って内面の「状態」を読み取り視覚的に表現する新しいインターフェースになることを目指しています。

多くの課題がありますが、技術・評価・市場は後からついてくるので今やらない理由にはなりません。実際に最近数億円規模の資金調達も実施しました。CyberneXは脳波測定機器開発会社ではなく、ブレインコンピュータインタフェースの社会実装者という立場で、2022年の実戦投入に向けてプロジェクトを進めています。

パネルディスカッション

単なる脳波計ではない

3者共通のスタンスとして、単なる脳波計ではなく日常生活に必須のデバイス・サービスとして提供していくというものがありました。ブレインテックはまだプレイヤーが少ないこともあり、「デバイスだけを作ります」や「コンテンツだけを作ります」だと上手く回らないと思います。ハードウェアとセットでサービス展開していくのは体力も必要で大変ですが、必要なプロセスですね。

自分たちだけで完結するのは難しく、またブレインテックの応用範囲も非常に幅広いので、パートナーありきなところはあります。出来上がった製品がどのように社会に根付いていくかについても、3者共通のビジョンを持っていて、そういう社会が近い将来にやってくるのだと思います。

他にも、興味深い内容が多くございました。是非アーカイブでご覧ください。

参加者とアンケート結果

各界から約300名の方々に参加いただき、イベントのアンケート結果は下記の通りです。イベント全体では、91%が満足したという結果となりました。

また各セッションごとの満足度については、三社によるプレゼンテーションは100%、パネルディスカッションは91%の視聴者が有意義だったと回答しました。

さらに、3種のデバイスをご紹介しましたが、91%がデバイスを試してみたい、78%がデバイスを購入したいと回答しました。

今後も5月、6月と連続してイベントが予定されています。
またのご参加をお待ちしております。

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